英語の教材を買ったけど、使い方がわからない…
英語コーチとして生徒さんに初めてお会いする時、まずこれまでの英語学習経験について聞かせていただきます。
すると、選んでいる教材は良いのに「やり方・トレーニング方法が惜しい…!」と思うことが多々あります。
私も英語学習を始めた時は、周りから良いと言われた教材を使って、がむしゃらにシャドーイング・ディクテーション・精読・速読・構文解釈などを行っていましたが、結局成果がなかなか出ずに疲弊していました。
ただ、今では自分にとって最も効果のあるトレーニング方法を理解できていますし、生徒さんにも適切に指導できるようになりました。
これができるようになったのは、間違いなく「英語の課題別の適切なトレーニング方法」を理解することができたからです。
以前の記事で英語の課題を見つけた後に適切な教材を選択する方法をお伝えしましたが、今回は教材の「使い方」、すなわちトレーニング方法について深堀りしていきます。
記事を読み終わる頃には教材を使った適切なトレーニング方法がわかり、単語帳や文法書であればより効率的に、スピーキングやリスニングも「話せる!」「聞ける!」状態に最速で近づいていくことができます。
それでは、いってみましょう!
※こちらの記事は前回の教材選択の記事でご紹介した教材をもとにトレーニング方法をお伝えしていくので、まだ読まれていない方は、ぜひ先に下記の記事をご覧になってみてください。
目次
英語の課題別最適
トレーニング方法10選
それでは早速、英語の課題別に最適なトレーニング方法をお伝えしていきます。
基礎単語・文法・発音(基礎)
まずはじめは「BASIC/ ADVANCE」の部分にあてはまる、基礎の「単語・文法・発音」を鍛えるためのトレーニング方法をご紹介します。
基礎単語
単語の学習は、基礎・応用にかかわらず、一貫して単語に出会う回数を増やすことを意識したトレーニング方法が最も効果的です。
その際に、下記の4つのポイントを意識していきましょう。
- 単語に出会う回数を増やす
- 覚えられない単語を重点的に学習する
- 学習に必ず音声を取り入れる
- 定期的に復習をする
▼ 単語に出会う回数を増やす
改めて、これが単語学習において最も王道な学習方法であり大切なことです。
100人以上の生徒さんをコーチングしてきて、もちろん効果に多少の差はあるものの、語彙量が大きく増え単語が覚えられるようになった方は例外なくこちらの方法を取り入れられています。
具体的に単語に出会う回数を増やす方法としては、単語帳を短い時間で何度も繰り返すというもの。
1単語1単語に丁寧に時間をかけて取り組んでしまうと出会う回数が減って結局覚えられないので、徹底的に回転率を高めていきましょう。
▼ 覚えられない単語を重点的に学習する
すでに覚えていて、瞬発的に意味が出てくる単語を何度も繰り返し学習するのは非効率です。
自分がどうしても覚えられない単語に対して、重点的に復習を行っていきましょう。
▼ 学習に必ず音声を取り入れる
ここでいう音声とは「自分が発音すること」と「単語の音を聞くこと」の2つの意味を指しています。
音を聞くことでリスニングにも活きますし、自分が発音することで単語の定着率も高まります。
▼ 定期的に復習をする
応用言語学的に、単語の定着には定期的な復習が必須だと示されています。
こちらは個人的な肌感としてもひしひしと効果を感じていて、英語学習をはじめたころから一度「覚えた!」という単語も、定期的な復習をしていかない確実に忘れます…。
せっかく頑張って覚えた単語を忘れないためにも、定期的に復習は取り入れていくようにしましょう。
定期的な復習のタイミングとしては、1日後、6日後、1ヶ月後、のように徐々に復習をする期間を広げていくのがよいです。
忘れかけた時に復習をする、ということを繰り返していくことで徐々に定着率が上がり長期記憶(復習を特にしなくても忘れない状態)に落とし込んでいくことができます。
基礎文法
基礎文法の学習に関しては、主に文法書を使って自分が理解していない箇所を理解できるまでインプット&アウトプットしていきます。
- 自分が先生になったつもりで説明してみる
- 様々な場面で学んだ文法を使い、定着を図る
▼ 自分が先生になったつもりで説明してみる
理解度を測るために、自分が人(または自分自身)に対して文法項目を説明できるかを確認します。
説明をしていくことで、受け身で学ぶ時と比べ、文法の知識の定着率も格段に高まります。
▼ 様々な場面で学んだ文法を使い、定着を図る
文法は受け身のまま学習していると使えるレベルにはなりません。
そのため、この後ご紹介するスピーキングやライティングなどのアウトプットを伴うトレーニングの中で、学んだ文法を使っていくことで定着率が高まります。
基礎発音
発音に関しては特に自分が口を動かすことで改善されていくので、アウトプットを中心に適切なトレーニング方法を実践していきましょう。
- 英語の音の特徴(「息・喉」の使い方)を理解してから取り組む
- 自分が正しい音を出せているか確認する
- 日々の音読や英会話など声を出す場面で常に発音を意識する
▼ 英語の音の特徴を理解してから取り組む
英語の音の特徴は「息・喉の使い方が日本語と異なる」ということです。
この違いを理解できているかどうかでその後の発音学習の成果が大きく変わるので、必ず理解しておくべきポイントの一つです。
▼ 自分が正しい音を出せているか確認する
特に初心者のうちは、自分の耳だけで英語を正しく発音できているかを判断することは難しいです。
なので、オンライン英会話の先生、Siri や Elsa Speak などの音声認識ソフトに英語で話しかけ、正しく聞き取られるかどうか(= 正しく発音できているか)を定期的に確認することが大切です。
▼ 日々の学習で常に自分の発音を意識する
発音は、日々実践していくことで成果がより確実に出てくるようになります。
日頃の音読やオンライン英会話など、音声をアウトプットする場面で学んだことを意識していくことがポイントです。
単語・文法・発音(応用)
続いては、応用単語・文法・発音の適切なトレーニング方法を見ていきます。
応用単語
応用単語に関しては基礎の3,000-4,000語単語を超えて5,000語以上を狙っていく部分ですが、学習のやり方やトレーニング方法は基礎の単語と全く一緒です。
ただし、下記のポイントでも挙げているように単語量を増やしていくと単語を覚える難易度は上がっていくため、覚えられない単語に対してはイメージ化・例文化・関連化などを使って単語の定着率を高めていきます。
※全ての単語に対してやってしまうと非効率なので、覚えられないものに対してのみです。
- イメージ化をする
- 例文化をする
- 関連化をする
▼ イメージ化をする
イメージ化とは、単語の意味を表したイメージ(画像)やイラストを利用して記憶に定着させる方法です。
文字や音に加えて、視覚を入れることで定着率が格段にアップします。
▼ 例文化をする
例文化とは、覚えれない単語を使って自分にとって身近な例文を作っていく作業です。
自分に身近な例文にすることでその単語を使う回数が増えたり、何より能動的に身近な例文を作っていくこと自体が単語の定着率アップにつながります。
例えば私が英検1級の学習をしているとき、どうしてもcondescending「人を見下すような」という単語を覚えることができませんでした。
そこでちょうど当時バイト先で嫌いだった先輩(笑)の名前を使って、下記のような自分の生活に身近な例文を作りました。
Mr. Sasaki is so condescending.「佐々木さんは、人をいつも見下す」
これをバイト先で佐々木さんに会うたびに頭の中で唱えることで、今でもこの単語は強く自分の頭の中に例文ごと残っています。
▼ 関連化をする
関連化とは、覚えられない単語に対して関連する語を覚えたり、何かと関連づけて覚えるという方法です。
関連づけて覚えることで、単語の意味を完全に覚えていなくてもざっくりとしたイメージが頭に浮かんでくるようになります。語呂合わせで覚えることも、効果的です。
例えば、spawn( 〜を生み出す)という単語ですが、私はこの単語を「スポーンッと生み出す」のように覚えました。
応用文法
応用文法とは下記のような文法項目のことですが、学習のトレーニング方法は基礎文法と一緒の考え方です。
- 仮定法
- 分詞構文
- 現在分詞
- 過去分詞
- 関係代名詞
- 関係副詞
ただ、文法項目としては難しい部類なので、特にオンライン英会話やアウトプットの機会で実際に使うことが大きなポイントになります。
- 自分が先生になったつもりで説明してみる
- 様々な場面で学んだ文法を使い定着を図る
▼ 自分が先生になったつもりで説明する
こちらは基礎文法のトレーニング方法と同じで、自分が先生になったつもりで説明してみることが効果的なトレーニング方法になります。
▼ 様々な場面で場面で学んだ文法を使い、定着を図る
こちらも基礎文法と同じポイントですが、応用文法の場合はより積極的にアウトプットを通じて定着させていく必要があります。
なぜなら、難易度が高い文法は自分から積極的に使っていかないと使う機会が少なく、結果的に忘れていってしまうからです。
個人的にはオンライン英会話や資格試験のライティングで無理やり難しい文法を使ってみることで、徐々に改善していったという感覚があります。
生徒さんにも応用レベルの方には難しい文法を使ったスピーチやライティングをしていただくと成果が出ているので、アウトプット中心で進めてみてください。
(応用の文法は、ライティングを通じると使う機会が増やしやすいです)
応用発音
応用発音としては、下記の4つの項目を改善していくために上記のトレーニングを行っていきます。
- 音の変化
- 音節
- 母音子音
- 口の形・舌の位置
- 英語の音の特徴(「息・喉」の使い方)を理解してから取り組む
- 自分が正しい音を出せているか確認する
▼ 英語の音の特徴を理解してから取り組む
応用の発音でも基礎同様、英語の音の特徴を理解した上で取り組むことが重要です。
英語の音の特徴、つまり息・喉の使い方を正しく理解していると応用の発音を鍛えていく中でスムーズに改善していくことができます。
▼ 自分が正しい音を出せているか確認する
こちらも基礎同様、自分が正しい音を出せているかをオンライン英会話、SiriやElsa Speakを用いて確認していきます。
基礎発音との違いとしては、応用レベルで綺麗な発音を目指していくには修正してもらうのが必須ということ。
自分の発音にある程度の自信がついてきたら、オンライン英会話の先生をネイティブに固定して細かい発音のミスを毎回指摘してもらいましょう。
リスニング(音声知覚)
リスニングの最初のプロセスである「音声知覚」を鍛えるにはシャドーイングやオーバーラッピング、多聴が効果的です。
多聴については後ほど「意味理解」のパートで解説するので、ここではシャドーイングの具体的なトレーニング方法をお伝えします。
シャドーイング
- 英語の音の特徴(「息・喉」の使い方)を理解してから取り組む
- 自分の苦手なものから重点的に確認する
- 同じ音源を100回以上シャドーイングする
- スピードを上げすぎない
- 音声知覚の「自動化」を図る
▼ 英語の音の特徴を理解してから取り組む
発音の項目でご紹介した英語の音の特徴(息・喉の使い方)が理解できていると、シャドーイングをしていく中で相乗効果が生まれていきます。
例えばBut I want to study…というフレーズがあった場合、息や喉の使い方が会得できている場合は音を聴く前に、[バライ アイゥナスタディ…]という発音を予想することができます。
そして実際の音を聞くと自分の予想と近い音になっていれば嬉しいですし、できていなければ改善できるので、英語の音の特徴を理解した上でのシャドーイングを行いましょう。
▼ 自分の苦手なものから重点的に確認する
全て完璧な発音でシャドーイングしようとすると難易度があがりすぎてしまい、時間がかかります。
なので、まずは自分がなかなか発音できないところを重点的に復習していきます。
7割できているものを10割にしていくというより、1-2割しかできていないものを7割程度はできるように引き上げていくイメージです。
▼ 同じ音源を100回以上シャドーイングする
応用言語学的にシャドーイングを繰り返し徐々にクオリティがあがっていくと、「音声知覚の自動化」という現象がおきると言われています。
「音声知覚の自動化」とは、精度・クオリティの高い状態でシャドーイングを繰り返していくと、音声知覚の負担が減っていくという現象です。
つまり何度もシャドーイングを繰り返し精度を高めていくことで音声知覚の負担が減り日本語のように音が自動的に聞こえるようになるということです。
英語も日本語同様自動で聞こえるようになっていくためには徹底的に回数を繰り返して精度を高める必要があるので、2-3日かけて100回以上はシャドーイングを繰り返すようにしましょう。
また、シャドーイングを何も意識せずただただひたすら繰り返してしまうと効果が低いので、人に添削してもらったり、自分で録音して何ができているか何ができていないか確認したりする、などの作業をするとより効果的です。
▼ スピードをあげすぎない
シャドーイングに適切なスピードは自分が聞き取れる範囲のWPM+10程度のものです。
WPMとはWords Per Minuteの略で、1分間に話される英単語の数、つまりどれだけその英語音源のスピードが速いかを表す指標のことを指します。
例えばTOEICの音源だと平均WPM150、ネイティブの方が対大勢に話しかけるようなスピーチでは平均WPM170-190、
海外ドラマや洋画などはWPM220-250以上など、英語の音源によってスピードは大きく異なってきます。
このスピードが速すぎて今自分が理解できるものとかけ離れすぎていると、うまくシャドーイングをすることができなくなります。
WPM150程度も早すぎてシャドーイングできない…!という状態でWPM190や200などのものに取り組むのは時間の無駄なので、適切な音源のスピードを選びましょう。
(シャドーイングの詳しい解説は、下記の記事にまとめています。)
リスニング(意味理解)
音を聞き取ってから意味を理解するプロセスであるリスニングの「意味理解」を鍛えるためには、多聴や精読・速読・多読が効果的なトレーニングになります。
今回は特に代表的な、多聴と多読について解説していきます。
多聴
- 自分のレベル+1の音源を選ぶ
- スピードと音の種類を変え負荷を上げる
- 内容に興味があるものを選ぶ
▼ 自分のレベル+1の音源を選ぶ
シャドーイング同様、多聴でも適切な音源としては「自分のレベル+1」の音源になります。
自分のレベル+1の音源の定義とは、自分の感覚的に「ちょっと難しいな」と感じる音源、そして自分がストレスなく聞き取れるWPM+10程度の音源です。
▼ スピードと音の種類を変え負荷を上げる
スピードは常に自分のレベル+1(WPMでいえば+10程度)程度のものを選び、慣れてきたら音源の種類も徐々に変えていきます。
音源の種類とは、主に英語のアクセントのことを指しておりアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどの主要なアクセントはもちろん、少しずつ地方を変えたり話し手が違う人の音を聞くことがおすすめです。
▼ 内容に興味があるものを選ぶ
多聴はトレーニングの中で様々な音源を聴いていくことになるので、「つまらないなぁ…」と思ってしまうものだと学習が続きません。
なので、TEDやPodcast、Youtubeなどを駆使して自分の好きな興味のある内容を多聴していきましょう。
多読
- 理解度が70%以上のものを読む
- 返り読みをせずに読み進める
- わからない単語が出てきても周りの文脈から推測する
▼ 理解度が70%以上のものを読む
多読の教材としては、「返り読みせずに読み進める」「わからない単語が出てきても周りの文脈から推測する」という2つのポイントを押さえるためにも、理解度が70%程度のものを読み進めていくのがよいです。
70%の理解度とは、1段落や1章を読んだ後に、内容を日本語で簡単に要約できるかという基準になります。
▼ 返り読みをせずに読み進める
多読の際は一切文章を返り読み(戻ってもう一度文章を読むこと)をせずに、読み進めていきます。
多読はリスニングの意味理解を鍛えるトレーニングなので、リスニングと同じ状況を作り出していきます。
▼ わからない単語が出てきても周りの文脈から推測する
「返り読みをしない」というポイントに加えて、わからない単語や表現が出てきても調べることはせずそのまま読み進めていきます。
こちらもリスニングと同じ状況を作るために行う縛りになります。
返り読みができない、意味を調べられないという制限がある中で難しすぎる内容を読もうとすると挫折するので、70%以上理解できる教材を選ぶことが大切になります。
スピーキング(概念化)
スピーキングの最初のプロセス、「概念化」に関しては難しく考えてしまいがちな日本語を簡単な日本語に噛み砕けるようになるために、トレーニングを重ねていきます。
オンライン英会話やニュース記事を使っていくと、効果的に「概念化」の力を鍛えることができます。
- 子供に話しかけるように噛み砕く
- 言えなかった表現もまとめて覚える
▼ 子供に話しかけるように噛み砕く
日本語をシンプルに考えるコツは、子供に話しかけるように噛み砕くことです。
例えば小学生の子に対して、「今は日本の経済が停滞していて…」などと説明しても伝わらないですよね。
代わりに「日本のお金の状態が良くないんだよ」とか「日本は最近元気がないんだよ」のように伝えるはずです。
このようにできる限り簡単でシンプルな日本語で噛み砕くことができるようになると、圧倒的に英文を作るのも楽になります。
▼ 言えなかった表現もまとめて覚える
日本語をシンプル化をするということは、元々英語に訳せない日本語を簡単にするということなので、この訓練に加えて「元々英語に訳せなかった文章」も調べて英語で言えるようにしていきましょう。
こうすることでシンプルに言うこともできるし高尚な言い方もできる、という両方の側面が鍛えられます。
例えば、
「一致団結して試合に勝とう!」という文を英語にできなかったとします。
これをシンプルに噛み砕くと、
「みんなで協力して試合に勝とう!(Let’s cooperate and win the game.)」などにすることができますよね。
ここで止めるのではなく、元々の文章である「一致団結して試合に勝つ」の言い方を調べて Let’s pull together and win the game.という正しい言い方を調べることで、シンプル化も文章化もどちらも鍛えられるということですね。
スピーキング(文章化)
スピーキングの際に文章を作るプロセス「文章化」に関しては、『瞬間英作文』などの教材を活用し、1文あたり3-5秒以内に出せるよう瞬発力を鍛えていきます。
- 徹底的に繰り返す
- 1文あたり5秒以内に出せることを目標とする
- 英文を暗記することが目的ではなく、文法の使い方を理解する
- 徐々に負荷を上げていく
▼ 徹底的に繰り返す
文章化を鍛えるための『瞬間英作文』は何度も繰り返すことを前提としたトレーニングです。
なぜなら英文を作る瞬発力はスポーツと似ていて、たった一度試しただけではなかなかスピードが上がらないからです。
何度も繰り返し文章を作っていくことで、次第に瞬発的に文章を作るための筋肉が育っていきます。
▼ 1文あたり3-5秒以内に出せることを目標とする
英会話をしていて、自分の発話が1文あたり10-15秒程度かかっていたらどうでしょうか?
文章を作るスピードが遅すぎると、コミュニケーションを円滑にとることは難しくなります。
そのため1文あたり3-5秒以内に出せることを常に目標にしてトレーニングをしていくのが、実践的です。
▼ 英文を暗記することが目的ではなく、文法の使い方を理解する
文章化のトレーニングは、英文を暗記することではなく、文法を理解して使いこなせる状態を目指します。
英文を暗記してしまうと「覚えた文章しか使えない」という状態になることが多いですが、文法の使い方を理解できていれば「単語を入れ替えて様々な文章を使う」ことができるようになります。
例えば、This is a pen. という文章を
・This is は「これは〜」
・そこに名詞がくっついて「これは〜です」
という意味になっていると理解し、素早く文を作れるようになると、
This is my favorite book.
This is cool.
など、いろいろな文章を作れるようになります。
▼ 徐々に負荷を上げていく
文章化に慣れてくると、ある程度のスピードで英文を作ることができるようになりますが、できるようになってきたら徐々にさらに負荷を上げていきます。
1文あたりの文章作成時間を短くすることが、ご自身でも負荷をかけやすく、かつ効果的な方法です。
3-5秒でできるものを、0.5-1秒まで縮めていく、などのように負荷をかけていきましょう。
ちなみに『瞬間英作文』のアプリ版であれば、答えが表示されるまでの時間を短くする設定ができるので、とても便利です。
リーディング
リーディングは速く正確に読めるようになるために、速読に適したトレーニングを行なっていきます。
- 読解時間とWPMを必ず計測する
- チャンクで区切る
▼ 時間とWPMを必ず計測する
リーディングを速く正確に読めるようになるためには、自分が今どのくらいのスピードで英文を読めているのか、何が得意で不得意なのかを可視化していく必要があります。
この可視化に最も適しているのがWPM(Words Per Minute)を算出するということです。
文章を読めるスピード、すなわちWPMを算出することで、感覚ではなく数字として自分の現状値を把握することができます。
【WPMの計測方法】
WPM=英文の単語数÷読むのにかかった秒数×60
例:300(英文の単語数)÷120(読むのにかかった秒数)×60 =150(WPM)
▼ チャンクで区切る
英文をチャンクで区切る癖をつけることで、初めての英文を読んだ際も自然とチャンク単位で読んでいくことができるようになります。
この癖がつくと英文をより速く正確に理解していくことができるので、日々の学習から取り入れていきましょう。
全ての技能に抜群に効くチャンクの活用法については、下記の記事をご覧ください。
ライティング
ライティングを速く正確に文章を書けるようになるには、スピーキングと同じく文章化のスピードをあげること、そして英語ライティングに書き慣れていくことが大事です。
- 自分が使い慣れた構文・文法を使って文章を書く
- 定期的にオンライン英会話やライティングの添削をしてもらう
▼ 自分が使い慣れて構文・文法を使って例文を書く
ライティングに関しては「書き方の型」というものが存在しているので、型にあてはめながら自分が使い慣れた構文や文法を使って書いていく練習が効果的です。
自分が使い慣れた構文や文法を使った方が良い理由は、スピードをあげていくためです。
▼ 定期的にオンライン英会話やライティングの添削をしてもらう
ライティングに関しては、自分より英語力がある方に文章を添削してもらうと弱点がクリアになり成長が速いです。
例えば「いろんな人と会ってみたい」という文章を自分の知っている知識でI want to meet many kinds of people.と表現したとします。
ただ、ネイティブに添削してもらうと例えばI want to meet many people from all walks of life.というネイティブ特有の表現に変えてもらうことができ、新しい表現やネイティブらしい英文の書き方を学ぶことができます。
ただしライティングの添削は費用もかかってくるので、オンライン英会話のレッスンの中で文章を見てもらったりするのがコスパが良いです。
まとめ
今回は英語の課題別の適切なトレーニング方法をご紹介しました。
正しい教材を選べた後は、適切なトレーニング方法で学習に取り組むことが成果を出すために必須です。逆に言うと、せっかく自分に合う教材が見つかっても、間違った方法で使ってしまうと、効果が最大化できません。
今回ご紹介したトレーニング方法は自分自身だけでなく、100名以上の生徒さんに実践していただき効果があった方法なので、ぜひ課題解決に役立ちそうなものは実践してみてください。
教材・トレーニング方法が明確になったところで、次の記事では「④ 学習実践」について、具体的に学習を続ける方法や、学習の質を高めるために意識するべきポイントをお伝えしていきます。
こちらの記事は「英語コーチングシリーズ」として、コーチングの流れを順に説明しているので、最初から読んでいただいた方が、今後の記事も理解していただきやすいかと思います。
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それでは、今回も最後まで記事を読んでくださりありがとうございました!