リスニング

【結局どっちが良い?】英語リスニングのためのシャドーイング vs ディクテーション

みなさんどうもです!eichanです!

今回は、『【結局どっちが良い?】英語リスニングのためのシャドーイング vs ディクテーション』と題して、

シャドーイングとディクテーション、どちらがリスニングに対してより効果的なトレーニングなのかを徹底解説していきます。

SNS上や生徒さんからよく聞かれる質問で、下記のようなものがあります。

シャドーイングとディクテーションって結局どっちがいいんですか?

どっちもやってるけど、いまいち効果がわからないです…

とりあえずみんながオススメしてるからやってるけど、いまいち目的はわかってないです…

私も英語学習を始めた頃はこんな悩みが強く、「結局どっちがええねん!」といつも思っていました。

そこで今回はシャドーイング vs ディクテーション論争に終止符を打つつもりで、記事を書きました(笑)

自分自身7年間の英語学習で体験してきたこと、そして生徒さん約100人以上の方を見てきた経験を織り交ぜていきますので、一定の再現性はあると思います。

eichan
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この記事を読み終わる頃には、何をやっていいかもう迷うことはなく、リスニング学習を進めていけるようになるはずです😊

それではいってみましょう!

【結論】
勝者はシャドーイング

それでは、まずはズバリ結論からお伝えしていきます。

シャドーイング vs ディクテーションの決戦は、シャドーイングに軍配が上がります
(*あくまで個人的な見解です)

なのでシャドーイングとディクテーションで迷ったら、シャドーイング一択です。

以上です!

eichan
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はい、ここではまだおわりません(笑)

なぜシャドーイングの方がディクテーションよりもよいのか、詳しく解説していきます。

なぜシャドーイング>ディクテーションなのか

シャドーイング>ディクテーションになる決定的な理由は、シャドーイングの方が効果的かつ効率的だからです。

詳しくご説明するために、まずはシャドーイング、ディクテーション、それぞれのやり方・目的を整理していきます。

シャドーイングのやり方・目的を整理してみましたが、2つのトレーニングの決定的な違いは何でしょうか?

それは、ディクテーションでは苦手な音を改善するという作業が抜けている点です。

つまりディクテーションのプロセスを通じて苦手な音を判別することはできるのですが、それを改善するためのアクションがないということになります。

一方シャドーイングは、苦手な音を理解した上でアクション(シャドーイング)を繰り返すことになるので、聞こえない音を聞こえる状態へと改善していける可能性が高いです。

この点で、シャドーイングの方が効果的ということになります。

また、効率という観点で考えてもディクテーションは音源を「書きとる」必要があるため、音だけを聞いて行うシャドーイングと比べて数倍時間がかかります。

つまり、非効率になりがちということです。

効果・効率的な観点や、個人的な経験からシャドーイングの方が良いという結論に至りました。

目的別にやるべきことを変えていく

先の項でシャドーイングに軍配が上がるという結論はお伝えしましたが、ディクテーションが全く無駄であるということではありません。

なぜなら、ディクテーションにはディクテーションの強みがあるからです。

ディクテーションの強みとは自分の弱点を可視化して理解しやすい、細かい音の課題を発見することができるという点です。

自分が書き取れないところ=音が聞こえていないところという形で目に見えて課題がわかるので、独学などでも理解しやすいという特徴がディクテーションにはあります。

また、シャドーイングではなかなか気づけないような冠詞や前置詞、小さな音の変化など細かい聞き取れない音がわかるというのも、ディクテーションの強みになります。

つまり、自分の苦手な音を理解・整理したり、細かい音の改善という目的であればディクテーションは十分効果のあるトレーニングということになります。

逆にシャドーイングは、大まかな自分の苦手な音の理解・整理、大きな音の改善という目的には完璧にフィットするトレーニングです。

このように今行っている/行おうとしているトレーニングは、どういった目的で行うかという目的意識を持つことが、学習をする際はとても重要になってきます。

eichan
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簡単にいってしまうと、リスニングを始めたばかりの初〜中級者のうちはシャドーイング 、上級者になってきたらさらに細かい音対策にディクテーション、という形がベストということです😊

英語リスニングのためのシャドーイング
【適切なやり方】

大まかなリスニング力アップのためにはシャドーイングが効果的、かつ効率的だということが前提の上で、ここからはシャドーイングの適切なやり方をお伝えしていきます。

先ほどもお伝えした通りただ漫然とトレーニングをするより「目的意識」を持つをことに加え、適切な方法で行うことができれば効果は倍増していきます。

適切なやり方は6つあるので、一つずつ深ぼっていきます。

  • 最適な音源を選ぶ
  • チャンクで区切る
  • シラブルを見つける
  • 徹底的に回数をこなす
  • 改善できそうな場所を優先する
  • 徐々に音源のスピードを上げて、負荷を高めていく

最適な音源を選ぶ

シャドーイングの適切なやり方の1つめは、最適な音源を選ぶことです。

ここでいう最適な音源とは、自分の今のレベルにとって最も適しているものということです。

最適な音源を探す理由は、自分にとってスピードが早すぎて全くついていけない、発音できない単語が多すぎるという難しいものでシャドーイングを行うと、効果が半減してしまうためです。

最適な音源を見つける方法としては、下記のような要素が入っている音源を見つけるというものです。

  • WPMが自分が聞き取りやすい音+10程度
  • 1分以内の音源
  • できそうな感覚
  • スピーカーの話し方・声が好み

これらの中で2-3個以上当てはまっていれば、トレーニングの音源として使うのは適していると判断することができます。

WPMが自分が聞き取れる音+10程度

WPMとは「Words Per Minute」の略で、1分間に話される英単語の数、つまりその英語音源のスピードを表す指標のことです。

わかりやすい例としてはTOEICの音源の平均WPMは150、ネイティブの方が対大勢に話しかけるようなスピードは平均WPM170-190、

海外ドラマや洋画などはWPM220-250以上などで、英語の音源によってスピードは大きく異なってきます。

WPMのスピードが自分が今楽に聞き取れるものとかけ離れすぎていると、シャドーイングをすることがそもそもかなり難しくなります。

そのため、今の自分が楽に聞き取れるレベルから考えて少しだけ早いと感じるもの(=WPM+10程度)を選んでいくことが大切です。

1分以内の音源

最適な音源を見つける2つめのポイントは、1分以内の音源であることです。

1分以内の音源を選ぶ理由は、音源が1分以上あるとシャドーイングで回数をこなす上で膨大な時間がかかってしまうからです。

後述しますが、シャドーイングで効果を出していくためには一定数回数を重ねていかなければいけないので、

1分程度の音源がおすすめです。

eichan
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1分程度であれば、時間がない時にスキマ時間でも取り組みやすいですよね😊

できそうな感覚

最適な音源を選ぶ3つめのポイントは、できそうな感覚があることです。

シャドーイングは同じ音源を徹底的に繰り返すトレーニングになるので、繰り返した先に「できるようになりそう…!」と感じられる音源かが非常に重要。

eichan
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数字的なWPMだけでなく、自分の感覚的にやりやすそうなものを選ぶことが適切です。

スピーカーの話し方・声が好み

最適な音源を選ぶ4つめのポイントは、スピーカーの話し方・声が好みなことです。

話し方や声は定性的な話ですが、とても大事なポイントだと思っています。

なぜなら、スピーカーの話し方や声が嫌いだと、学習のテンションが下がり続けていくからです(笑)

一方で自分が好きなスピーカーだったり、聞いていて心地よい声の場合は「もっと再現したいな!」「近づけたいな!」のようにやる気がみなぎってきます。

eichan
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個人的にはスティーブジョブズの英語がすごく好きなので、この動画はよくシャドーイングしていました。WPM(スピード)でいうと約150くらいで、スピーチとしてはゆっくりめです😊

【eichanのおすすめ】

個人的には上記の条件を兼ね備えているという点で、

『Harry Potter』シリーズなどをシャドーイングの素材として使うことは多かったです(単純に好きというのもあります笑😊)

Amazonオーディブル』等を利用すれば1冊まるまる無料で聞けてしまうので、ぜひシャドーイング素材として活用してみてください💪

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チャンクで区切る

シャドーイングの適切なやり方の2つめは、チャンクで区切ることです。

チャンクとは意味の切れ目のことで、まずシャドーイングの前にスクリプトをチャンクで区切ると発話が圧倒的にしやすくなります。

また、チャンクで区切る癖をつけると英語の4技能(スピーキング、ライティング、リーディング、リスニング)全てに活きるので、全てのトレーニングに含めるのがおすすめです。

チャンクの詳しい区切り方・メリットについては下記の記事をご覧ください。

シラブルを見つける

シャドーイングの適切なやり方の3つめは、シラブルを見つけることです。

シラブル(音節)とは、英単語の中に必ず存在する「子音+母音+子音」のセットのことを指します。

例えばCatという単語のシラブルは「a(=母音)」で、簡単に言ってしまうとネイティブはシラブルの箇所を強く発音する傾向にあります。(シラブルは強く、それ以外の子音は弱く発音するというイメージです)

シャドーイングをする前にスクリプトを見ながらシラブルの位置に印をつけておくと、より英語っぽい発音でシャドーイングを実践することができます。

eichan
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シラブルについては下記の動画で詳しく解説されているので、一度見てみてください😊 Stretch(ストレッチ)は日本語では5語ですが、英語だと1音になるんですね…!

徹底的に回数をこなす

シャドーイングの適切なやり方の4つめは、徹底的に回数をこなすことです。

少し残酷ですが、シャドーイングは数回やっただけでは効果がかなり薄いです。

なぜなら、シャドーイングは下記3つのプロセスを経てはじめて効果が生まれ始めるからです。

再現できない音(苦手な音)をチェック

苦手な音の改善を意識して、シャドーイング

回数を重ね、苦手な音の再現率を向上

こちらのプロセスの中で大事なのは、「苦手な音の改善」です。

ただ苦手な音というのは元々聞こえない音ということなので、2-3回繰り返しただけで苦手な音を再現できる状態(=次に聞こえるようになる状態)になるでしょうか?

自分の経験からも自信をもって言えますが、これはほぼ不可能です。

つまり、音を再現できるようになるまで回数を重ねていかなければいけないので、まずは徹底的に回数をこなすことが必要になります。

感覚的には1分くらいの音源でも、50-100回くらいは繰り返していかないと再現できるようにはならないと感じています。

2-3日などにわけてしまうのは問題ないので(1日30-40回目安)、100回程度は回数を重ねるということを意識していきましょう。

eichan
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1つの音源でシャドーイングを繰り返すことで音が聞き取りやすくなり、初見の音源を聞いた時苦手な音を聞き取れるようになっている感覚は快感です😊

改善できそうな箇所にfocusして取り組む

シャドーイングの適切なやり方の5つめは、改善できそうな箇所にfocusして取り組むことです。

シャドーイングをしているとよくハマってしまう罠が、完璧な状態を作ろうとしてしまうことです。

冠詞、代名詞、前置詞といった細かい音も含めて全てを完璧に再現できなきゃだめだと思って何度もトライ。

できるようになるまでひたすらに頑張るけど、結果的にできず落ち込んでやめてしまう…。

こういった進め方は無駄ではないのですが、英語でシャドーイングをしていると現状では聞こえない音(=今のレベルでは、うまく発音できない音)というのは必ず出てきます

これはある種当たり前のことで、聞こえる音というのはトレーニングをしていかないと増えていかないので、シャドーイングを始めたばかりだと聞こえない音だらけです。

そこで、今の現状で完璧を目指すのではなく「改善できそうな箇所」を着実に改善していくことが結局は効果的なやり方になってきます。

eichan
eichan
個人差はあるので、ベストは自分が改善しやすそうなものからトライしていくやり方です😊

改善しやすい箇所は、大まかにわけて3つあります。

  • 音の連結
  • 音の脱落
  • 音の同化

音の連結

音の連結、脱落、同化は英語のリエゾン(別名リンキング)と言われ、単語が並んだ際、音がつながったり、消えたりする現象のことを指します。

音の連結

音の連結とは、単語と単語の音がつながることで、特に2つの単語が並んだ際、

最初の単語の終わりが「子音」で2つ目の単語の始まりが「母音」だった場合に起こる現象です。

「音の連結」のわかりやすい例でいうと、「when I」などがあります。

Whenのnは「子音」、Iは「母音」なので[ウェンアイ]ではなく[ウェナイ]と、音が変化します。

これを知らずwhen Iは[ウェンアイ]と思っていると、[ウェナイ]と聞こえた時に「え?」と聞き逃したりしてしまうわけですね。

音の脱落

音の脱落とは、会話のスピードが早くなった際、発音しない音が生まれるという現象です。

特に2つの単語が並んだ際、最初の単語の終わりが「破裂音(p, b, k, t, g)」で、2つ目の単語の始まりが母音だった場合に、前の「破裂音」がなくなる現象が一般的です。

こちらはシンプルに、話すスピードが高まってきたときに語尾の音が聞こえない(脱落する)と覚えてしまっても、OKです。

この「音の脱落」には、「Good morning」などが当てはまります。

Goodのdが破裂音で、mが子音なのでdの音がなくなり[グッドモーニング]ではなく[グッ モーニン]という音に変化します。

これまた[グッドモーニング]と思っていたものが[グッ モーニン]と聞こえてくるので、この知識がないと違和感がありますよね。

この違和感が積み重なっていくと、リスニングの弊害になっていきます。

音の同化

音の同化とは、単語と単語の音がつながって別の音に変化する現象です。

こちらは先ほどご紹介した「音の連結」に近い変化で、単語がつながった際、前の単語や後ろの単語の影響で音が同化していきます。

具体的な例としては、例えばI want you.

そのまま読むと[アイウォントユー]ですが、こちらのwant youが[ウォンチュー]と同化します。

AKB48の『ヘビーローテーション』でも、I want you.[アイ ウォント ユー]ではなく、[アイウォンチューーーー]と言っていますよね(笑)。

eichan
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これら3つの音がリエゾンする箇所はシャドーイングで改善するべき箇所になることが多いので、重点的に改善を図っていきましょう!

音源のスピードを高め、徐々に負荷を上げていく

シャドーイングの適切なやり方の6つめは、音源のスピードを高め、徐々に負荷を上げていくことです。

これまでのやり方で回数を重ね、改善しやすい箇所を直していくと音源に対するシャドーイングの再現率はかなり高まっていきます。

先ほどお話しした通り完璧を目指す必要はないので、7-8割程度再現ができるようになったら別のリスニング音源に移ってしまう方がよいです。

そして、リスニング音源を変えるタイミングで今行っているものよりも少しスピードが早い音源を利用し負荷をかけていきます。

負荷をかけていくことで、聞こえる音の幅が広がり、より速く難しいものを聞き取れるように。

正確にスピードが測れなくても、体感的に今の自分にとって”少し早い、難しい”ものを選んでいくだけでもOKです。

まとめ シャドーイングの適切なやり方

今回は、シャドーイングとディクテーションの違い、そしてシャドーイングの適切なやり方について見ていきました。

個人的にシャドーイングをやっていることで大きな効果を感じていますし、

生徒さんたちからも「会議の英語が聞こえるようになってきた!」「細かい音が、前よりもわかるようになってきた」「音も聞こえるし、発音もよくなってきた気がする!」などのコメントをよくいただきます。

記事の中でお伝えした目的意識を持ちつつ、自分にとってできそうだなと思う方法でシャドーイングを実践してみてください。

シャドーイング/ディクテーションのやり方などで何か疑問点や不明点などがあれば、コメントやTwitter(eichan_ruh)でご連絡いただければと思います😊

シャドーイングの次にトライすべきリスニング強化トレーニング、「多聴」についての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

ここまで記事を読んでくださって、ありがとうございました!