英語学習を継続できているけど、英語力が伸びている感覚がないです…
これまでの英語コーチング記事でご紹介してきた下記の流れを踏めば、多くの場合自分の弱点や課題がうまく改善され課題解決、つまり英語力は着実に伸びていきます。
個人的な実績としても、スクールで多くの生徒さんのデータを見ても、これらのステップが正しく踏めていれば7-8割以上の生徒さんは問題なく課題解決ができている印象があります。
ただ、当然英語コーチングは万能ではなく正しい手順を踏んでいても課題解決ができず、結果的に英語力が伸びずスランプのような状態になることもあります。
一人で学習されている方も自分の中でしっくりきたやり方で英語学習を続けているのに、なんだか英語力が上がっている感覚がない、つまり課題解決ができていないという感覚に陥ってしまうということはないでしょうか?
このスランプ的な状態で英語学習を諦めてしまうとこれまでの時間・労力・お金が完全に無駄になってしまうので、
本記事では”英語学習で成果を出すための正しい手順を踏んで学習しているのにもかかわらず”課題解決ができていない状態をどのように抜け出していけばよいのか、
具体例とともにお伝えしていきます。
今回の記事構成は英語コーチ側の視点、独学で英語学習をしている方(セルフコーチと呼びます)の視点、両方の視点で書いているので、
英語コーチとして生徒さんの英語力が伸ばせずに困っている、または自分でセルフコーチングをして学習を続けているけどうまく成果が出せていない方に対して、個人的な経験をもとに解決策をお伝えしていきます。
これまでの記事を読んでいない方は理解を深めるためにも、読んでみてください。
それではいってみましょう!
目次
英語コーチの課題解決法
それではまずは、英語コーチ側の視点に立ってなかなか生徒さんの課題解決を導けない、つまり生徒さんがスランプに陥ってしまったときにどのように対処していけばよいかお伝えしていきます。
(独学で英語学習をしている場合の対処法が知りたい!という方は次の章に進んでください)
①英語コーチに相談する
生徒さんの課題解決ができない場合に英語コーチがするべきことの1つ目は、他の英語コーチに相談することです。
自分と同じように英語コーチングをしている人にアドバイスをもらったり、フィードバックをもらってみましょう。
そうすることで、より経験のあるコーチから自分だけでは気づけなかった生徒さんの課題に気づかせてもらえたり、自分にはない新たな視点を得ることができます。
そしてそれらのアドバイスやフィードバックが活き、結果的に生徒さんの課題解決につながることは多々あります。
英語コーチングスクールに在籍していない方でも、今の時代、TwitterやInstagram等のSNSを使うことで、他のコーチとつながる事ができます。
実際に私もTwitterで数人の英語コーチの方から相談のDMをいただき、今では英語コーチ仲間として意見交換を定期的に行なっています。
私のように英語コーチを仕事としている人に連絡してみるのも良いですし、内容によっては、英語コーチではなく英語講師の方に連絡してみるのも良いかと思います。
自分と違う視点でのアドバイスを欲しいという方は、あえて自分と違うバックグラウンドを持った英語コーチに連絡してみるのがおすすめです。
生徒さんとのコミュニケーションに悩んでる場合は、英語コーチだけでなくても、周りにいる人間関係の構築が上手な方やご家族・パートナーに相談してみるのも効果的です。
人に相談するのは決して悪いことではなく、むしろ生徒さんの早期課題解決につながる前向きなことなので、積極的に行なっていきましょう。
②コーチングの本を読む
生徒さんの課題が解決できない場合に英語コーチがするべきことの2つ目は、コーチング関連の本を読むことです。
日々成長し続ける生徒さんをサポートしていく上で、私たちが同じところに留まっていては、良いコーチとは言えません。私たちもコーチとして日々成長していく必要があります。
その方法の一つとしてコーチングにまつわる本を読み、新たな知識のインプット、そして生徒さんと関わる中でアウトプットし、自分自身のスキルアップをしていくのがとても大切です。
コーチング関連の本はたくさんありますが、ここでは私が実際に読んできた30冊以上の中から、英語コーチングの現場で実際に役立った3冊をご紹介します。
コーチングとはどんなものなのかという基本的な内容から、効果的なコーチングの方法まで、コーチングを網羅的に解説している本です。
英語コーチ全員に読んでいただきたい本ですが、特にコーチングを始めたばかりの方にオススメです。
コーチングの現場で実際に使える質問やフィードバック方法の具体例が載っている本です。これらを習得することで、生徒さんの課題を的確に見抜くことができるヒアリング力向上に繋がります。
「質問力」は英語コーチにとって最も必要なスキルと言っても過言ではないので、聞き上手への第一歩を作る実践的な教材です。
こちらは上司から部下、つまりマネジメントに特化したコーチングのやり方を解説している本ですが、コーチ対生徒さん、のように対等な関係の中でも十分に使えるエッセンスが詰め込まれた一冊です。
少し読み進めにくいので、コーチングの現場で実践し効果を照らし合わせながら活用するのがおすすめです。
③信頼関係を確認する
生徒さんの課題が解決できない場合に英語コーチがすることの3つ目は、生徒さんとの信頼関係を確認することです。
私は英語コーチングにおける良い信頼関係とは、”生徒さんといかに対等な立場でいられるか”だと思っています。
これは生徒さんと友達のような関係になるという意味ではなく、お互いに率直な意見を言いやすい関係を作るということです。
生徒さんを褒める時も、少し厳しいこと伝える時も、常に相手へのリスペクトを忘れずに、対等な立場から意見を伝えることでコーチと生徒さんという適切な距離感を保つことができます。
このような適切な距離感、信頼関係が築けていると生徒さんの方から自分が感じる課題に関して相談していただけたり、密な話をしていく中で課題解決の糸口が見えてくることが往々にしてあります。
そして残酷ですが、信頼関係というものは築きあげるのはとても大変ですが、「失うのは一瞬」です。
コーチが誠実さを失ってテキトーな仕事をしたり、生徒さんに対するケアを怠れば、すぐに生徒さんに伝わります。
だからこそ定期的に信頼関係が築けているのか、それが維持できているのかを確認し(感じ取り)、生徒さんの信頼を絶対に裏切らないという姿勢でいることで、解決が難しい課題であっても生徒さんとコーチの二人三脚で解決に向かっていくことができます。
④伝え方をカスタマイズする
生徒さんの課題が解決できない場合に英語コーチがすることの4つ目は、伝え方をカスタマイズすることです。
生徒さんの成長を伝え、モチベーションをキープすることもコーチの重要な役目ですが、そこで「伝え方」が大変重要になります。
生徒さんの成長は「感覚(定性的)」と「数字(定量的)」の2つの方法で表すことができますが、この二つを生徒さんやその状況によって使い分けられるようになると、コーチとしての格が上がります。
みなさんは、「〇〇さんって、めちゃくちゃすごいですね〜〜!かっこいいです!」と褒められるのと、「〇〇さんって、TOEIC700点を3ヶ月で達成されたんですよね…すごい…!」と褒められるので、どちらの方が嬉しいでしょうか?
こちらに正解・不正解はありません。ただ、生徒さん100人以上を見てきて、どう感じるかは人によって大きく異なるということを痛感してきました。
感覚的に「すごい!めちゃくちゃいいですね!」や「学習時間かなり増えましたね!」と言われて成長を感じる生徒さんもいれば、逆に数字を使って「前回より単語テスト+5点です」や「1週間で学習時間が20時間を超えています」などと伝えられた方が嬉しい生徒さんもいます。
生徒さんの英語力は着実に伸びているのに、コーチの伝え方が悪いせいで成長実感が感じられず、モチベーションが下がってしまう、課題解決ができていることを理解できないというケースも見てきました。
だからこそ、コーチは自分の持っている感覚(解釈)と数字(事実)を使いこなし、生徒さんに正しく成長をお伝えすることが大切です。
⑤固定観念を捨てる(柔軟でいる)
生徒さんの課題が解決できない場合に英語コーチがすることの5つ目は、固定観念を捨てることです。
英語コーチとしての経験を積んでくると、「大体こういうタイプの人はこういう課題があるよね」とか「ここでつまづいているって事はこんなことに悩んでるだろうな」みたいなデータが蓄積されてきます。
それが故に、型にはまったコーチングをしてしまうことがあります。
ただ何度もお伝えしている通り、生徒さんによって課題は千差万別なので、もしかしたら全く予想もしていなかったことが実は生徒さんの課題解決を妨げている場合もあります。
私が過去に担当させていただいてたTさんの例をお話しします。
Tさんは学習時間は充分すぎるほど取れているのに、一向に学習の成果が出ませんでした。
もちろん課題分析や教材が適切か、正しいトレーニング方法で進められているか、そして納得感を持って学習に取り組んでくださっているかを徹底的に確認しましたが、特に問題はありませんでした。
そこで改めて初心に戻り、気づいたことがありました。それがまさに「型通りのコーチングを行ってしまっていた」ということでした。
具体的には、とにかく課題解決を急ぐあまり、生徒さんの環境や状況を把握することを忘れてしまっていたのです。
そこで、Tさんが毎日欠かさずつけている日記の中にヒントがあるのではと思い、その日記を見せていただいたときに驚愕しました。
- 「今日も単語テストが49点だった。満点取れないなんて終わってる」
- 「英語学習は自分には向いていない」
- 「IELT模試で9割しか取れてない、だめだこりゃ」
このように英語学習に関しては、とにかくネガティブなことばかり書かれていたのです。
面談やLINEでは全くこのような発言はなく、むしろ「はい!頑張ります!やれます!」みたいなタイプなので、固定観念でポジティブな方だと思っていたのですが、実は根がド級のネガティブでした。
以前の記事で応用言語学の「情意フィルター」について書いていますが、英語学習においてネガティブな状況で学習をしていると多くの時間をかけても成果を感じにくくなるという現象がおこります。
Tさんの場合はまさにそれで、実はネガティブに考えてしまっていることで通常なら課題解決できる問題が、どんどん先延ばしにされていってしまっていました。
これに気づいてからは声がけの回数を増やしたり、成長できている箇所を感覚、数字を使って伝え続けたことで課題解決に導けたという例があります。
当時これになかなか気付けなかったことに心底反省したので、今でもできるだけ柔軟に考えるよう心がけています…!
セルフコーチの課題解決法
ここからは独学で英語学習をしている方向けに、課題解決ができない時、スランプに陥った時にどのように対処していけばよいかをお伝えしていきます。
eichanの8年間の英語学習も日本国内のみで、ほぼ独学で試行錯誤を繰り返してきているので自分の経験も具体的に載せていきます!
①人に相談する
課題解決できない場合にセルフコーチングで行うべきことの1つ目は、人に相談することです。
英語が自分よりも得意な人や英語コーチ・英語講師等に相談してみることで、自分では決して気づくことができなかった課題解決の糸口が見つかる可能性があります。
ここで特に大事なことは、自分の置かれている状況と似ている人を見つけるということです。
例えば、留学に行けず日本国内で英語学習をしているという方は、「国内留学」や「純ジャパ」をキーワードに情報発信をしている方にアドバイスを求めてみましょう。
逆に、留学経験がある方は、同じように留学経験がある方や帰国子女の方など、同じような道を通ってきた人にアドバイスを求めてみることで、より的確な答えを得れるかもしれません。
また、より多くの情報を得るために、あえて複数の人に聞いてみるのも効果的です。その上で、自分の課題に最も適切な解決方法を選択することができます。
②ポジティブな部分に目を向ける
課題解決できない場合にセルフコーチングで行うべきことの2つ目は、ポジティブな部分に目を向けることです。
ここで言う「ポジティブな部分」とは英語学習において自分ができたこと、つまり「課題解決できている部分」を正しく認識していくということです。
自分自身がポジティブな部分に目を向けられるようになれば、継続的にモチベーションの高い状態で学習を続けることができます。
100名以上の生徒さんをコーチングしてきましたが、中には正しく課題解決できているのに、できていない部分に目を向ける癖がついてしまっている方も多いです。
そのような癖があると、いつまでたっても「自分はできていない…」と思い込んでしまい、そう思っている間は、どれだけ頑張っても成長スピードがスローになってしまう傾向があります。
もし仮に課題が解決できていなかったとしても、そのままネガティブに学習に取り組むのではなく、その中でもできているところ(ポジティブな部分)に目を向けるという意識が必要です。
③比べる対象を間違えない
課題解決できない場合にセルフコーチングで行うべきことの3つ目は、比べる対象を間違えないことです。
自分自身、英語学習を8年間継続している中で気づいたこと、そして英語コーチとして何人もの生徒さんを見てきて感じる事は、ほとんどの人が自分の英語や英語学習が「人より優れている・劣っている」と比較して考えてしまっているということです。
皆さんも自分の英語学習を他の人と比べて焦っていたりしませんか?
多くの人が見落としがちですが、課題解決のスピードは人によって違います。
それもそのはずで、学習時間、学習環境、もともとのバックグラウンド、これまでの学習経験など、誰1人として同じ条件で英語学習をしている人はいないからです。
こんなに条件が違うのに、課題解決のスピードが同じになるなんて、あり得ません。
人と比べて焦ったり、逆にマウントを取ると言うことはせず、粛々と昨日の自分と戦い続けることが大切です。
こんなクサイことを言っていますが、私も当時は帰国子女の友人や海外に長く住んでいた人と、ろくに英語学習をしてこなかった自分を比べ、「なんで自分はこんなに英語ができないんだろう」と嘆いていたので、気持ちはよくわかります。
④期待値を上げすぎない
課題解決できない場合にセルフコーチングで行うべき事の4つ目は、期待値を上げすぎないことです。
期待値とは、これだけ勉強したからこのくらいは英語力が伸びるだろうと期待することの幅を表します。
期待値が高すぎると、実際にそうならなかった時に理想とのギャップにショックを受け、英語学習が辛くなってしまいます。
例えばダイエットをしているとして、友達から「3日で5キロも落ちたよ!」とファスティングを勧められ、やってみたら1〜2キロしか変わらないということはよくある話です。
人によって体質は違うので、同じ方法でも効果は様々ですが、3日で5キロ落ちると信じて、辛いファスティングをやっていた身からすると、とてもショックですよね。
英語学習でもこのように感じる事は非常に多く、「周りがこうだから」とか「平均2ヶ月で200点UP」という言葉を鵜呑みにし、期待値を上げすぎてしまうと、課題解決できなかった時に糸が切れ、せっかく頑張ってきた英語学習が途切れてしまいかません。
だからこそ、自分にとって適切な課題解決までの期間を算出・設定し、過度な期待はせず、粛々と学習を続けていきましょう。
まとめ
今回は英語コーチ、セルフコーチング(独学)の両方の視点で、課題解決ができない場合にどのように解決の糸口を見つけていけばよいかお伝えしてきました。
英語コーチとして経験を積めば積むほど、人によって課題は様々であると日々痛感しています。
多くの場合はこれまでお伝えしてきた下記の流れを踏めば課題解決できることは多いですが、それでも課題解決できないケースもあると思います。
(少なくとも私は英語コーチとしてまだまだ発展途上中なので、悔しいですが生徒さんの課題解決をすぐには導けないこともあります)
そんなときに焦らず、今回お伝えしたような様々な方法を試行錯誤し課題解決まで走り続けることが英語コーチであろうと、独学で学習をしていようと大切な考え方だと思います。
次回の記事では、ついにコーチング記事シリーズの最終ステップ、「目標達成」についてお話していきます。
「目標設定」「課題発見・分析」「教材・トレーニング方法の選定」「学習実践・継続」「学習の振り返り」、これら全てのステップを踏み継続的に学習をしていくことができると、ついに目標達成の瞬間がやってきます。
目標達成の瞬間は、間違いなく生徒さんにとっても、英語コーチにとっても最高の瞬間。
次回の記事ではこれまで目標達成まで伴走させていただいた生徒さんの具体例を出していきながら、思わず「やっぱり英語学習頑張りたいな」「英語できるようになったら、こんな明るい未来があるのか」と感じてしまうようなheartwarming(笑)な内容盛り沢山の記事を書いていきます。
これまでの記事を読んでいると次回の記事をより楽しめると思いますので、まだの方はぜひお読みください👇
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