リーディング

【読めないを0に】英語精読の正しいやり方4選

英文が、うまく読めません…。

理解できなくて、何度も何度も読み返してしまいます…。

精読って、そもそも効果あるんですか…?

英語コーチをしていると、これらのコメントをよくいただきます。

私も自分自身の英語学習を通じてTOEICや英検の英文がなかなか理解できず、何度も読み返したり、読んでみても結局意味がわからない、という経験をしています。

しかし、今ではどんな英文であっても理解度高く、一定のスピードを持って読めるようになりました。
スピード的には英語学習を開始した頃と比べて3-4倍程度の速度で読めています。

それは、英文の正しい「精読」のやり方を実践することができるようになったからです。

生徒にもこの精読のやり方をお伝えし、うまく実践していただいた生徒さんは大きな成果を出せるようになっています。

今回の記事を読むことで再現性のある正しい精読のやり方がわかり、英文を読むスピード、精度が抜群に高まっていくと思いますのでぜひお読みください。

それでは、いってみましょう!

英語精読の効果とは?

それでは、まずはじめに英語「精読」の効果と魅力について、詳しくお伝えしていきます。

精読の効果や目的を理解しているかしていないかで今後の学習の「質」が大きく変化してくるので、納得できるまで読み込みましょう。

(精読のやり方だけを知りたいという方は、次の章に進んでください)

文法力・語彙力の強化

英語精読の1つめの効果は、文法力・語彙力が強化されることです。

「え?それって、別に普通のリーディングと同じじゃない?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、精読をしていくと普通のリーディングと比べてインプットの質が大きく異なってきます。

精読とは隅から隅まで、”自分が完全に理解できるまで”読み込んでいくトレーニング。

文法も単語も、自分の中で「これはもう腑に落ちた!」という状態まで深堀りしていくので、ただただリーディングをした時と比較してインプットの定着率が格段に違ってきます。

eichan
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個人的な感覚では、精読をしている時の方が2倍以上は単語を覚えていたり、文法の理解が高まっていると感じます(文法の理解が高まる=人に説明できるレベルに到達している)。

そして、文法力・語彙力が強化されていくことにより、もちろんそれに伴って読むスピードも向上していきます。

細かいニュアンスを理解

英語精読の2つめの効果は、細かいニュアンスを理解できることです。

英文を読んでいて、なんとなく意味がわかったけど読み進めた、という経験はないでしょうか?

これは時間が制限されている速読などでは問題ないのですが、なんとなくで終わらせると間違いなく次に似た構文に出会ったときも曖昧な理解になってしまいます。

この「なんとなく」を減らし、細かいニュアンスを理解していけることが英語精読の価値になります。

例えば、下記の例文を読んでみてください。

She couldn’t say a word, shocked at the terrible scene.

これは英文を読むときに我々を苦しめるランキング1位である「分詞構文」を使った文ですが、そのまま読んでいくと、「彼女は言葉を発せなかった。ひどい状況にショックを受けた」という意味になります。

ただ、これを精読によって「分詞構文」だと理解して細かいニュアンスをとるように意識していくと、下記のような流れで理解できます。

①「分詞構文」なので、カンマ後に主語+動詞(she was)が省略されているとわかる
②「分詞構文」の意味は「〜して、しながら」というものなので2つの文をつなげてみる
③「ひどい光景にショックを受けたので、彼女は言葉を発せなかった」と訳すことができる

eichan
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このように精読により正しく文を読めると、文の細かい意味やニュアンスをしっかりと理解していくことができます。

アウトプットの質が向上

英語精読の3つめの効果は、アウトプットの質が向上することです。

ここでいうアウトプットの質とは、アウトプットのスピード・精度のことを指します。

精読をしていくと文法を正しく理解し、語彙の使い方も詳しく見ていくので、英語のアウトプットの際もそれらで学んだ知識を応用していくことができます。

個人的には精読がスピーキングにも活きた感覚はありますし、特にライティングに関しては精読で学んだことがそのまま使えた、という経験もあります。

eichan
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英文メールなどフォーマルな英文を書く際は、精読で学んだ正確な文法や単語が抜群に活きます。

英語精読の
正しいやり方4選

それでは精読の効果をお伝えしたところで、ここからは効果を最大化するための正しい精読のやり方を4つご紹介していきます。

人によって精読のやり方は少し異なったりしますが、これら4つは100人以上の生徒さんに実践していただいて効果があった再現性の高いものだけをお伝えします。

単語の意味を理解する

英語精読の正しいやり方の1つめは、単語の意味を理解することです。

まず精読の第一段階として、読んでいる英文の中でわからない単語を「0」にする必要があります。

知らない単語や曖昧な単語の意味を調べることでインプットができますし、精読では単語の意味を理解してから、後述する品詞を分解したりかたまり(チャンク)で区切ったりという作業をしていくので、この後の作業もやりやすくなります。

具体的なやり方をお伝えするために、下記の例文を使ってご説明していきます。

This is to remind you that even though the payment due date has passed we have been unable to confirm your payment.

Your payment of the invoice #135 was due September 14.
As of September 15, we have not been able to confirm payment of the amount which was billed for September.

The details of this matter are shown on the attached file.

抜き出すべき単語例

  • remind=
    「リマインドする、思い出させる」
  • even though=
    「〜だけれども」
  • due date=
    「支払い期日」
  • unable=
    「〜できない」
  • confirm=
    「〜を確認する」
  • invoice=
    「請求書」
  • As of=
    「〜の時点で」
  • billed=
    「請求された」
  • details=
    「詳細」
  • matter=
    「件」
  • attached=
    「添付された」

英文の中から例として単語を抜き出してみました。

抜き出す基準としては、意味を知らない、瞬時に意味が頭の中に出てこない(5秒以内に出てこない)というものです。

精読で抜き出した単語をノートにまとめて復習していくと、インプットが加速していきます。

品詞を微細に分解する

英語精読の正しいやり方の2つめは、品詞を微細に分解することです。

精読では単語に続いて「なんとなく」の理解をなくしていくために、徹底的に細かく品詞分解をしていく必要があります。

この品詞を分解するというアクションを何度も実践することで、精読していなくても素早く品詞が分解できるようになり、結果的に英文を読むスピード・正確性が向上していきます。

具体的なやり方を下記の英文を使って、ご説明していきます。

上記の英文を、細かく品詞分解していきます👇

品詞分解の際のポイントとしては、文型や品詞を書いて分解していくことです。

こうすることで、英文がどのような文法構造になっているのか、そして自分にとってどんな文が理解できていないのか(品詞分解できない文=読めない)がわかります。

単語の理解度を高めて、品詞分解もできると、下記のような形になります👇

単語と文法を理解して正しく読めるようになったら、ここまでの精読のやり方はバッチリです。

意味のかたまり(チャンク)をとらえる

英語精読の正しいやり方の3つめは、意味のかたまり(チャンク)をとらえることです。

「チャンク(Chunk)」とは英単語やフレーズのかたまりのことを指します。

例えば上記で出てきた英文を「チャンク」でとらえてみると、(スラッシュで区切っています)👇のように区切ることができます。

This is / to remind / you that / even though / the payment due date / has passed / we have been unable / to confirm / your payment.

チャンクで区切ることができるようになると、単語単位で意味を理解していた時と比べて圧倒的に速く、かつ正確に英文を読めるようになっていきます。

なぜなら、チャンクで区切ると下記のように日本語訳もまとめて理解していくことができるからです。

チャンク(かたまり)の幅は慣れていくとより広がっていくので、やればやるほど読むスピードや理解度が高まっていくものになります。

しかもリーディングだけでなく、話す時、聞く時、書く時、すべての英語技能に活きるのがこのチャンクの概念になります。

チャンクのメリットや区切り方については下記の記事で、かなり詳しく書いています。

適切な難易度の教材にチャレンジする

英語精読の正しいやり方の4つめは、適切な難易度の教材にチャレンジすることです。

ここまで精読のやり方として、「単語」・「品詞」・「チャンク」ということをお伝えしてきましたが、これらを行っていくにあたって適切な難易度の教材、英文を選んでいく必要があります。

なぜなら、あまりにも今の自分にとって簡単すぎたり、逆に難しい教材を選んでしまうとわからないことが少ない/多すぎて効果がなかったりモチベーションが下がってしまうからです。

精読の効果を最大化するには一定の継続は必要なので、適切な難易度のものを選んで学習を続けやすくしていきましょう。

eichan
eichan
昔初心者の頃に英文記事を精読しようとして、超絶絶望した経験があります…😅

教材の難易度を選ぶ基準としては、読んでいる文の中でわからない単語の数が6割を超える、品詞の分解が5割以上できないという場合は難しすぎるので、他の教材に移る方が良いと思っています。

次の章からは、英語の精読におすすめの教材をご紹介していきます。

英語精読におすすめの教材

先ほど英語精読の正しいやり方の章で、適切な難易度の教材・英文を選ぶことが重要というお話をさせていただきました。

この章では、個人的に英語精読におすすめの教材を難易度別にご紹介していきます。

eichan
eichan
生徒さんの情報をもとに初心者の方から、上級者の方までカバーしています。

ラダーシリーズ【Level 1-2】

英語精読におすすめの1つめの教材は、ラダーシリーズ【Level1-2】です。

『ラダーシリーズ』は、英語学習者向けに有名な童話や著名人の伝記などを簡単にしたシリーズで、読み物として非常に面白い教材です。

Levelが1-5までわかれているのですが、精読初心者の方が精読を実践するのであれば「Level1-2」の作品がおすすめです。

TOEIC公式問題集

英語精読におすすめの2つめの教材は、TOEIC公式問題集です。

『TOEIC公式問題集』はTOEICの模試が入っている教材なので、精読にはリーディングパートを活用していきます。

『TOEIC公式問題集』がおすすめな理由は、簡単な語彙と文法で構成された読みやすい英文が多いためです。

eichan
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「少し精読に慣れてきたな」という方に、特におすすめです。

英検準1級・1級

英語精読におすすめの3つめの教材は、英検準1級・1級リーディング教材です。

具体的には、『最短合格! 英検準1級 リーディング問題完全制覇』と『英検1級 文で覚える単熟語』がおすすめです。

どちらの教材も今回ご紹介している中では最難関ですが、英検はTOEICと違い科学・歴史・政治・経済・地理など多岐に渡るトピックが登場するので精読できると楽しいですし、学びも多いです。

eichan
eichan
難しい分、理解できた時の「わかった!」という感覚がとても気持ちよいです。

【終わりに】
英語精読の正しいやり方

今回は、英語精読の効果・正しいやり方・おすすめの教材をご紹介しました。

精読は正しいやり方で実践を続けていけば、大きな効果が見込めるトレーニングです。

インプットだけでなくアウトプットの力の向上にもつながり、英語の理解度・スピードも格段に向上していきます。

eichan
eichan
「やってみよう!」と思った方は、思い立ったが吉日。今日から「精読」を始めてみてください。

今回の記事で何かご質問などあれば、コメントかTwitter(@eichan_ruh)でご連絡いただければと思います。

それでは、ここまで記事を読んでくださってありがとうございました!