コーチング

週3ジムに通って気づいた英語コーチングの本質

みなさん、こんばんは。
eichanです。

個人的な話ですが、on and offながらも2年間ほどパーソナルコーチをつけて週に3回(最低でも2回)は筋トレのためにジムに通っています。

今ではやっとの思いで習慣化しましたが、はじめのうちは毎回

  • 「行きたくない〜…」
  • 「疲れる…」
  • 「やってもやっても筋肉つかない…」
  • 「これいつか終わりあるのか…」
  • 「好きなもの食べたい、スイーツぶち込みたい…」

と弱音を吐きまくってコーチに迷惑をかけっぱなしでした(笑)

ただこんな中でも2年間以上なんとかハードに通うことができているのは、筋トレは英語のコーチングにも活かせることがありすぎると感じていたからです。

特に自分が新しいことを始めた時は、それすなわち英語学習を始めたばかりのクライアントさんの気持ちになれる最大のチャンス

嫌々ながらも筋トレをしたことで学べた『コーチングの本質』を、今日は共有していきます。

先にまとめると、筋トレを通じて気づいたコーチングの本質は下記5つです。
(今回はコーチ側の視点を中心に書きます)

※コーチがいるから続けやすい、のは当たり前なので省きます。

①期待値調整は必須

②1トレーニング1メッセージ

③定性と定量の両面で伝達

④信頼関係醸成には「プロ感」が第一優先

⑤適切なトレーニングデザイン

ひとつずつ、みていきます。

期待値調整は必須

こちらはビジネスの世界では必須の能力だと思いますが、適切に期待値を調整することはコーチングでも確実に必要です。

例えば筋トレの場合、僕は最初のセッションでコーチから、

「eichanさん、筋肉は数ヶ月単位でつくものではないので、まず2年間続けるまで文句は言うようにしてください(笑)英語と同じです。」

と言われました。

(元々仲の良い友人かつ彼も英語は大得意なので、それも踏まえてこういった言い方をしてくれたのだと思います。)

これを言われて私は、

「やっぱりそうか、そんな簡単に体が変わる訳ないよな」

という気持ちに。

結果、筋トレを数週間続けてなかなか成長実感がないときもこの言葉を思い出して「まだまだまだまだ」と思えるようになりました。

これは英語のコーチングにおいても非常に大切な考え方で、あまりにも無理なゴールを設定したり、期待度を上げすぎてしまうと結果的にクライアントさんの学習は続きません

仮に現在TOEIC300点の方が3ヶ月で800点以上を目指したいと言った場合、学習時間が膨大に取れる場合を除いては誰がみても非現実的なゴールですよね。

ただここでコーチが、「〇〇さんならいけますよ!やる気があればやれます!!」みたいなことを言ってしまっていると(期待値を上げすぎていると)、

仮に忙しい中1日3時間捻出して3ヶ月学習したとしても800点には届かず、
クライアントさんが

自分には才能がないのか…

と感じて結局やめてしまう、学習のモチベーションがだだ下がりしてしまうということが起こりかねません。

だからこそ達成可能なマイルストーン/目標設定(かつクライアントさんにとって少しチャレンジングなゴール)、期待値調整をコーチが事前に行うことは、クライアントさんにとってもコーチにとっても必要なことなのです。

1トレーニング1メッセージ

続いては、1トレーニング1メッセージ。

こちらは端的に言うと、自分が得意なこと以外で「同時にさまざまなことを意識するのは無理」ということです。

英語コーチングで言えば、

  • シャドーイングの際は音を聞く意識、2-3語遅れる意識、情意フィルターが厚くならないように意識
  • 単語学習の際はできる限り五感を使う、例文を作ることを意識
  • オンライン英会話の際はフィラーと、学んだ単語のアウトプットの意識

などなどコーチはつい複数のことをクライアントさんに同時に意識してもらおうとしますが、これは極めて困難で、頭が混乱します(結果的に一つのことも意識できないことがしばしば)。

私も複数のことを意識できると思って筋トレで学んだことをメモ、それをみながらいくつかのことを意識して実践してみましたが、

「結局何を意識すればいいんだ?????」

と悩んだりして、トレーニングする時間に対して質がめちゃくちゃ悪くなってしまいました。

というのも”何かを意識すると、何かが抜ける”という状態になってしまい、

それが改善され始めたのは、1つのことを無意識レベルでできるようになった後だったからです。

これを英語コーチングで活かすとすると、

「1つのトレーニングに対して意識させることは1つ」

ということ。

そしてそれが自動化されてきてから次に意識するべきことをお伝えしていく、というのが得策です。

もちろんクライアントさんによって得意な方、不得意な方がいらっしゃいますが、特に始めたてのクライアントさんに対しては混乱させないよう注意しながら進めていくことが必要です。

定性と定量の両面で伝達

こちらは筋トレでいうと鏡に映る体の変化や周りの人からかけられる言葉(定性面)、

そして挙げられる重さや重量の変化(定量面)を使い分けるということ。

英語コーチングでも両方を使うことで、クライアントさん視点で話の説得力が大きく変わります。

例えば筋トレをしているときに、体の変化は本当に微差です。

ただコーチから、

「eichanさん、最近肩大きくなってますね」

と言われると嬉しい。

ただこれだけだと、「本当か…?」と疑ってしまう気持ちもたまに湧いてきます。

しかし、それに加えて「ショルダープレス2週間前より〇〇kg上がってますね」と数字を使って表現されるとさらに”成長”を感じます。

英語のコーチングでも全く同様で、クライアントさんの変化を伝えるときは必ず定性・定量両面のセットです。

これはもちろんどちらがクライアントさんにとって刺さるかわからないからというのもありますが(タイプによって受け取り方が変わります)、上の私の筋トレの例のようにどちらも伝えることで説得力と納得度が倍増。

クライアントさんのスピーキングなら例えば話している時の様子や自信、声色の変化、加えてSPM・WPMなどを使った数字の変化、両方セットでお伝えしていきましょう。

信頼関係醸成には「プロ感」が第一優先

続いては、「プロ感」についてです。

「プロ感」とは私がよく使う言葉で、コーチングにおけるコーチのプロフェッショナルとしての姿勢・意識のことです。

筋トレでいうと私のコーチは、セッションのたびに毎回新しい情報や、目から鱗が落ちるような話を提供してくれます。

また、彼自身が体を鍛えていて筋肉質なので、机上の空論だけでなくpracticalな信頼を抱くことができ、「プロやな〜〜〜」と思うことが多くあります。

その信頼によって私は、迷うことなく、諦めることなく筋トレを継続できています。

英語コーチングでも全く同じで、

  • 権威性(英語の資格・発音)
  • 目から鱗の情報(ティーチング)
  • 毎回の面談のスムーズさ
  • 困ったときの適切かつ迅速な質問対応
  • 本気でクライアントさんを伸ばしたいという気持ち/熱意/情熱

などを細かく示し続けていくことで、信頼関係はどんどん積み上がっていきます。

だからこそ「コーチングにティーチングはいらない」という二元論的な幻想は捨てて、学びに貪欲にコーチも成長し続ける必要があります。

適切なトレーニングデザイン

最後は、トレーニングデザイン。

トレーニングデザインとはこれまでの全ての要素を含めた上で、「どの順番で、どのタイミングで、何の情報を、どう伝えるのか」などをデザイン(工夫)するということです。

英語コーチングでも例えば3ヶ月の12回の面談であれば、毎回の面談で伝えるべきこと、そしてどのタイミングで伝えるかなどをデザインします。

英語コーチングでも例えば全く同じ情報であってもクライアントさんに伝える順番、タイミング、伝え方などによって効果には天と地ほどの差が出ます

例えば筋トレの際は、「腹圧」という考えが非常に大切です。

これはお腹に力を入れるという意味で、適切にできると腰の負担が減りケガのリスク回避になったり、より重い重量を扱えるようになるというものです。

筋トレのコーチが私にこれを伝えてくれたタイミングが秀逸だったのですが、やり取りはこんな感じです。

ーーー

コーチ:

eichanさん、じゃあ今日はスクワットからやってみましょうか。

eichan:

わかりました!

コーチ:

ちょっと軽めの重量からいきますね…

eichan:

(あれ、もうちょっと重いのでもいけそうだけどこんなに軽め?)

→そこから徐々に重さを上げていって…

コーチ:

eichanさん、今の少しだけ腰に違和感ありませんでした?

eichan:

たしかにちょっとだけピリピリした感じがあったかも…

コーチ:

実はこのまま重さを上げていくと、腰に一気に負担がかかってしばらく歩けなくなってしまったりします。

eichan:

ええ、それは危ないわ…

コーチ:

そうなんです。ここで大事な考えが「腹圧」です。

(このまま腹圧の説明…)

eichan:

これめちゃくちゃ大事ですね…!今すぐ意識してみます。

ーーー

このやりとりを、私は数年間たった今でも鮮明に覚えています。

もしこのやりとりがなく、いきなりコーチが「腹圧という重要な概念があって…」という風に話はじめていたらおそらく忘れてしまっていたでしょう。

つまり、このままやると腰を怪我してしまうかもしれないというリスクを感じさせたタイミングで教えてくれたからこそ、私の記憶にも強烈に残ったということです。

英語コーチングでもいきなりスピーキングの発話量がどうで、とかWPMがどうで、音声知覚の自動化、音節などの専門的な話をしてはダメです。

例えばシャドーイングが間に合わない、うまくできない、というタイミングで音声変化や音節の話などをすれば、

「これができればシャドーイングが間に合うようになりそう…!」とクライアントさんが思ってくれて、刺さる。すなわち成長するのが圧倒的に早くなるという具合です。

だからこそ3ヶ月、6ヶ月の面談で何をするかを面談デザインして、それをクライアントさんの性格や進捗に応じて最適化していく、というのがコーチングの本質です。

まとめ

今回は自分の筋トレ経験から、英語コーチングに活かせそうなことを抽出してお伝えしました。

今回の筋トレのように色々なことからアイデアを抽象化していくと英語コーチングにも転用できることが山ほどあるなと常々思うので、

英語コーチの方は常に身の回りのことに、アンテナを張り続けていきましょう。

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今後も英語コーチングの魅力を存分に伝えていきますので、

引き続きよろしくお願いいたします!